大きなホールでのスピーカーの設置について
気温を25℃とした場合、この配置でAのスピーカーとBのスピーカーから同時に音が出た場合、Cの地点ではBの音に対して(43-21)/346秒≒64ms遅れてAの音が届くことになります。これは音源にディレイのエフェクトをかけるのと同様であり、ギター等では音に厚みを持たせたりしますが、コールの明瞭度は低くなります。
後ろの方でコールが聞き取りにくいからスピーカーを追加してもスピーカーの近くでは改善されるが少し離れた位置ではあまり改善されないという現象はこの音のずれによるものと思われます。
PAの設置で後方にスピーカーを配置する場合は、Bからの音を25/346秒≒72ms遅らせて出すようしてC地点での音のずれを(43-(25+21))/346秒=-8.7msとして、音ずれの問題を少なくすることができます。(人の耳では10ms以下のずれは認識されない)
大きなホールで後方にスピーカーを配置する場合は図2のような接続を行ってAのスピーカーの音が届くタイミングでBのスピーカーから音が出るように調整します。
ダンサーに楽しんでいただくためにはコールの内容が一番と思いますが、少しでもダンサーに踊りやすい環境を提供するために、音響機器にも工夫をしてみてはいかがでしょうか。
※346は気温25℃において1秒間に音が伝わる速度m/秒
ディレイをかけるのに必要な機材例
BEHRINGER (ベリンガー)DEQ2496デジタルイコライザー
BEHRINGER (ベリンガー)SHARK FBQ100チャンネルデバイダー(デジタル)
コメント